2017年10月号掲載 毎日新聞夕刊報道グループ記者(当時)/藤原章生 男と女の違いというより、個と個の物の考え方の違いではないか。 世の現象を考える際、カテゴリー(枠)にはめて現象をとらえる人と、できる限り枠を取っ払いその個に答えを求めようとする人がいる。 もう一つ。自分の世代だったり、周りの人々の集合体の平均値に答えを求める人と、あくまでも自分ひとりの感覚に頼る人の二通りがいる。 酒井さんは前者で、私は後者だから、かみ合わなかったのではないか。 対話の中でこんなくだりがあった。 酒井さんがエッセイの中で何度か書いているストッキングの話だ。昔はパンティー・ストッキングという言い方をしたが、今…