エッセイスト。立教大学観光学科卒。
『負け犬の遠吠え』(isbn:4062121182)など ほかに
など多数
「負け犬の遠吠え」は、第4回婦人公論文芸賞(中央公論新社主催)と第20回講談社エッセイ賞とをダブル受賞した。同作品は日本テレビにて、久本雅美主演でドラマ化された*1。
*1:2005/1/8(土)PM9:00〜10:54放映
こんばんは! お久しぶりに本の話をば。AIが教えてくれた本を読んだら面白かったので感想を書こうと思いました。(AIすげーマジで) 『負け犬の遠吠え』酒井順子さん著 時を超えて共感する負け犬 物語を持たない負け犬 ボブ太郎による負け犬の遠吠え 『負け犬の遠吠え』酒井順子さん著 この本では30代以上・未婚・子なし女性は「負け犬」、同様の男性は「オスの負け犬」、対して既婚者は「勝ち犬」と定義されている。本著が書かれたのは2003年。いまから23年前ということで、この「負け犬」という表現に違和感はもちろんある、が、感想が書きやすいので、この記事に関しては同様の表現をすることをお許し願いたい。 というこ…
ネタバレします。 母と妻と松本清張 15 清張の母、清張が描く母 この項の書き出しは本著で最も不思議な感覚、奇妙というか違和感というか謎めいたものだった。 と言っても作者の酒井順子氏に対してそう思ったわけではなく酒井氏が疑問を持ったことに「それは確かに変だねえ」という良いとも悪いとも言えない不安定な相槌を打つことになってしまったからだ。 ここで酒井氏は前にも取り上げた『砂漠の塩』をテキストにしてヒロインが恋人と初めて結ばれるという時に涙を流しながら「お母さま」と口走る、というのだ。 酒井氏は(こんな場面で)「お母さま、って言うかな」と首をひねっている。 なにしろその作品を読んでいないので実際の…
ネタバレします。 昭和の女と松本清張 9 殺す女、殺される女 ここで紹介されている作品で『声』だけは読んでいた。 これは衝撃的な話であり同時に興味深い作品だった。 新聞社の電話交換手を務めていたヒロインは数多くの声を聴き分けられるという能力を持っていたがそれが原因で殺されてしまうのだ。 wikiを見ると清張は実際にこうした能力を持つ女性を知って感嘆し参考にしたのだという。 非常に面白い着想だがそれで殺されてしまうのが悲しい。それだけに印象が強いのだが。 前にも書いたが「殺される女」というのは男性読者の性的好奇心を呼ぶための装置でもある。 その女が若く美しくあるほど殺される価値があるのだ。 その…
続けます。 ネタバレします。 5 転落するお嬢さんたち 紹介される小説の中で一作品だけ知っている。『霧の旗』である。 それにしてもこの本は凄まじい企画である。 ひとりの作家を分析していくという評論は数あろうがそれが松本清張のような膨大な作品のものである場合気が遠くなりそうだ。 前にも書いたが私は清張作品のほんの一握りというより一つまみを知っている程度なのでこの企画の恐ろしさを感じてしまう。 松本清張を分析するというこの怖ろしい企画が成立したのは本作が『松本清張の女たち』という清張作品における女性描写それも社会の中でのジェンダー感として捉えていく、という区切りをしたことである。 ではあるが逆に全…
2025年「新潮社」 松本清張小説をほんの少ししか読んでいないのにこの本を読んでいいのか迷ったがやはり気になり手に取ってしまいました。 松本清張の小説の魅力と人気は女性たちの存在にあり、と思っているからです。 一時期にはベストセラーとなった本の多くは廃れていきますがその中で松本清張の小説は今もなお高い人気を保持しています。 それはむろん清張ミステリーの面白さであるのは確かですがもうひとつかつての他の小説にはなかった「女性の存在」が大きいのではないでしょうか。 そう考えていた私の目の前に出てきた本著『松本清張の女たち』さて読んでいきましょうか。 ネタバレします。 女性誌と松本清張 1初めての女性…
清少納言、紫式部、藤原道綱母、菅原孝標女、和泉式部の平安時代の文学を代表する女性たちに関するエッセイ。 『負け犬の遠吠え』を書いた酒井順子によるものですから期待しましたが、裏切られませんでした。 平安時代の才女たちを滅茶苦茶にこき下ろしていて、私には、なんといっても清少納言と紫式部についてが面白かった。 著者によると、清少納言は和歌の名家に生まれたが、父親は”貴族の中では上流と言い難く、ノンキャリの公務員家系といった感じの受領階級”であったと。 彼女はやはり受領層の青年と結婚するが、二十代半ばで別離、時の一条天皇の中宮である定子に女房として仕えることになる。 教養豊かで才気溢れる彼女はそこで人…
日本において、「随筆」を「エッセイ」に変えたと言われているのは、伊丹十三氏とされています。俳優や映画監督としても知られる伊丹氏は優れたエッセイストでもありましたが、そのデビュー作『ヨーロッパ退屈日記』の新潮文庫版の帯には、「この人が『随筆』を『エッセイ』に変えた」 とあるのです。裏表紙の内容説明には、同書について「戦後日本に初めて登場した本格的な『エッセイ』だった」とも記されています。(酒井順子『日本エッセイ小史』講談社文庫、2025) こんばんは。今週は3連休のあとに4日間の学校公開があってしんどすぎました。以前、教え子の父ちゃんが営む居酒屋にお邪魔したときに、こんな話を聞かせてもらったこと…
オリーブの罠 (講談社現代新書) 作者:酒井順子 講談社 Amazon 80年代創刊で21世紀初頭まであった私も大好きだった雑誌「Olive」 宇多丸さんのラジオで「Olive」特集をしていて*1酒井さんの話が面白かったから読んでみた。 「Olive」、自分や周りの好みの似ている人にとって理想を描いているような雑誌で、手の届かない夢の世界みたいなところがあったので、神格化したような流れだと、そうはなれない自分を見つめる事になってなんか読むのしんどいかなと思っていたが、さすが酒井さん、好きなものでも俯瞰でみる姿勢が面白く、「anan」や「Olive」の路線変更からの視点、社会学のリポートみたいで…
昨日の大雨で乗っていた電車が駅で運転見合わせ、島岡美延です。じっと待つつもりが運転再開のめど、まったく立たず。結局、バスと別路線の電車を乗り継いで帰宅しました。 トラブルの時間もスマホより読書、の私。図書館でやっと予約が回ってきたのが、酒井順子著『老いを読む 老いを書く』(講談社現代新書)。2003年のベストセラー『負け犬の遠吠え』以来、気になる同世代の彼女の著作。 今はまさに「老い本」ブーム、「老いスター」続々登場、と。その分析がさすが。著名作家が年を重ねて出し続ける「老い本」(佐藤愛子や五木寛之)、まったく「老い」を描かない黒柳徹子。 そして最近は「素人の高齢女性」による出版ブーム。確かに…
360『松本清張の女たち』酒井順子(新潮社2025年 図書館本)■ この本を書店で手にした時、「松本清張の女たち」という書名と清張と美しい女性(調べて新珠三千代だと分かった)のツーショットを見て、一瞬、ナヌ?と思った。 ンなはず、ないよな。そう、この本は「清張作品の女たち」。松本清張の作品にはどのような女性が登場するのか、被害者としての女性、事件や問題を起こす女性、そして事件や謎を追う女性について分析している。多くの作品を取り上げて読み物として書かれているが、研究論文としても成立させることができるんじゃないかな、と読み終えて思った。清張作品が好きで、よく読んでいなければこのような本は書けないだ…