7月5日 土曜日 一日中エアコンをつけた自室のベッドで 内田百閒の【百鬼園百物語】を読んだ。 末尾にある東 雅夫氏の編集解説にこう書いてあった。 『近世このかた、怪談には付きものとなっている「百物語」 のスタイルで、百鬼園先生の怪異小品集全百篇を編むこと にしたのである。 百物語とは、百筋の灯心に明かりを点した 会場で、参加者が夜を徹して怪談奇聞の数々を披露し、 一話を語り終えるごとに灯心一筋を消してゆく。 やがて百話満了となり会場が闇につつまれると、必ずや妖異な 出来事が出来する……と伝えられる怪談会の謂である。』 百物語と呼ばれるオカルト会合の記録で一番古いものは 平安後期の鳥羽天皇の天仁…