吉村昭『東京の戦争』 今日は読書の話題です。吉村昭の作品2冊。 まず、『東京の戦争』。ブックオフで本をさがしていたところ、この題名と作者名を見て、即購入した。読んでみて期待通りだった。戦中戦後の日本の姿を描いた回想録なのだが、感傷に流れることなく、かといって単なる記録ではない、作家としての感性によって書かれた優れた文学作品となっていた。 雑誌に連載されたのは2000年なので、戦後55年の年ということになる。文庫本では、200ページほどが16の章に分けられ、それぞれに「空襲のこと(前)」「石鹸、煙草」というように見出しがつけられているが、それが連載の1回分なのだろう。 東京生まれの作者は昭和2年…