続百鬼園随筆 (新潮文庫) 作者:内田 百けん 新潮社 Amazon 続の付いていないものを読んだのは、もう3年前らしい。そんなに月日が流れるのは早いのか。年を取ったものだ。それに引き換え、本の中の人たちは年を取らないから、いつでも新鮮な感じで出会えるのは、嬉しいときもあるし、つらいときもある。でも、この人はいつ読んでも、変わらずに内田百閒でいてくれる気がする。 子供の頃から変わらないこだわりの強さがあり、自分を曲げないから許容範囲が狭そうなのだけれど、そのぶん心を開いた人に対しての情が、心配になるくらい深い。誰かを、何かを好きになるなら、このくらいとことん好きでいる方が悪くないな、と思える。