happinet-phantom.com 「紙の月」(2014)以降、吉田大八監督の作品を観ていなかった。避けていたのではなく単に当方が不勉強だっただけである。 それでも今作は観たいと思ったのは、宣材のモノクロによって映されたというより刻まれたと言うに相応しい長塚京三の顔が目に焼きついていたからだ。こう老いたいと。 日本のジェレミー・アイアンズじゃないか。 勿論本編もモノクロだがデジタル撮影なので撮影後の処理であろう。 ルックの高潔な佇まいは、長塚演じる元大学教授そのものだ。 妻に先立たれ、一人暮らしの日常のルーティンが淡々と描かれる。音楽も抑制的。 ただ、こういう「食べる、飲む、寝る」の反復…