美術評論家。京都精華大学名誉教授。国際美術評論家連盟会員。 1931年8月22日、生まれ。 2011年3月3日、死去。 本名:江戸頌昌(えど・のぶよし) 神戸市出身。 京都大学大学院の湯川秀樹研究室で物理学を専攻したが、1955年以降美術評論活動に入る。 パリ、サンパウロ、ヴェネツィア、東京ビエンナーレなどの国際展のコミッショナー、ソウル・オリンピック美術展国際委員などを歴任。 上海、ハバナ・ビエンナーレの国際審査員を務めた。 amazon:中原 佑介
1. Artaud, Antonin(2006)『神の裁きと訣別するため』宇野邦一, 鈴木創士訳, 河出書房新社. https://ci.nii.ac.jp/ncid/BA77606157 2. Bergson, Henri(2019)『時間観念の歴史 : コレージュ・ド・フランス講義1902-1903年度』藤田尚志 他訳, 書肆心水. https://ci.nii.ac.jp/ncid/BB28519676 3. Bornstein, Kate(1994)Gender Outlaw : On Men, Women, and the Rest of Us. Routledge. https:/…
甲辰年十一月初三。気温4.1/18.1度。晴。地元のラジオ曲ラッキーFM(茨城放送)の夕方の帯番組“CONNECT”のニュース枠で水戸芸術館館長に就任の片山杜秀氏へのインタビュー放送あり。拝聴。 水戸芸術館の館長就任を前に抱負を語る片山杜秀さん=10月26日、水戸芸術館 片山新館長は初代が吉田秀和、継いだのが小澤征爾で自分がこの二人の偉大なる存在に比べ……と謙遜は当然かもしれないが音楽(コンサートホールATM)と現代美術ギャラリーについては芸術館の実績に基づき確固たる方向性について語られたが演劇(ACM)については演劇には高尚レベルなものと庶民的なものとがあつて、そのいずれも大切で比較的受け入…
「カルダーの世界」展 1979-80 / 図録監修:中原佑介、表紙デザイン:田中一光 / 読売新聞社・西武美術館・現代彫刻センター / 1979年 / 244x256mm / ページ付番なし、142作品収録 / 和文&英文 / ソフトカバー は「本まるさんかくしかく」で販売中です。 hon034.stores.jp 動く彫刻「モビール」、今なら、皆が知っているはず。その考案というか発明したのが、アレキサンダー・カルダー。他にも、スタビル、ジュエリー、テキスタイル・デザイン、塗装デザイン、ドローイングなどなど、幅広いのです。本書は、日本での展覧会図録ですが、たいへんな人気だったのでしょう。この図…
1. Andrews, Edna(2005)『ロートマンの文化記号論入門 : 言語・文学・認知』谷口伊兵衛訳, 而立書房. https://ci.nii.ac.jp/ncid/BA71745999 2. Aquilina, Stefan ed.(2024)Stanislavsky and Pedagogy. Routledge. 3. Bakhtin, M. M. (M(1980)『フランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネッサンスの民衆文化』川端香男里訳, せりか書房. https://ci.nii.ac.jp/ncid/BN0148389X 4. Ball, David(2003)『戯曲の読み…
「週刊文春」にて1996年8月29日号から2020年1月23日号まで連載された坪内祐三氏による文庫本書評「文庫本を狙え!」を文庫レーベル順に並べた。文庫レーベルはおおよそ五十音順に並べたが検索のしやすさを考慮し一部前後した箇所もある。 同文庫レーベル内では連載の古い順から並べ、それぞれ取り上げられた本の編著訳者名・書名・掲載号を記した。掲載号は( )内に記載し、(狙97.1.30)は、「週刊文春1997年1月30日号」を指し、「狙」は収録されている単行本を指す。 本リスト作成には以下の本を用い、略称の区分もこれに基づく。 【狙】『文庫本を狙え!』ちくま文庫, 2016年(1996年8月29日号…
『現代の美術 art now 別巻 現代美術の思想』講談社(第13回配本)1972年5月20日第1刷発行、高階秀爾・中原佑介 編を少し読んだ。 〔3〕ミシェル・ラゴン「美と有用性、または技術文明の魅惑について」1971年《 科学万能と進歩至上主義、合理主義と機能主義の病魔は、ありとあらゆる人々を襲った。その結果、今日では、汚れのない無垢の精神と肉体をもつ人々は、非常にわずかしか残っていないようだ。(引用者・略) しかし、いつも必ず逆の方向へ進むのは、非常に難しいことだ。時には流れに身を委ね、そこで人々は羊の群れに付く。 》113頁《 事実、ヴィールスに犯されたありとあらゆる芸術家の集団が、今や…
『現代の美術 art now 別巻 現代美術の思想』講談社(第13回配本)1972年5月20日第1刷発行、高階秀爾・中原佑介 編を少し読んだ。 〔3〕宮川淳「引用について」《 現代美術について語ろうとするとき、われわれにつきまとうもっとも大きな問題ないし困難がある。つまり、われわれはそれを語る用語をもち合わせていないのだ。一方において、それまで美術がその中で語りつづけられてきた文脈、たとえば創造、表現、作品、伝達……といった概念は、多かれ少なかれすでにその適合性を失っている。にもかかわらず、他方、それに代わるべき文脈は見出されていないのである。 》99頁 午後、富士市吉原での白砂勝敏個展へ。 …
『現代の美術 art now 別巻 現代美術の思想』講談社(第13回配本)1972年5月20日第1刷発行、高階秀爾・中原佑介 編を少し読んだ。 〔3〕泉真也「ホワイト・アウト」《 透視図的な世界の溶解は、私たちの考えている以上の大きな意味をもっているように思う。 》91頁《 自己と他者の区別。空間の構造と不可分に結びついている人間の時間。あるいは価値の体系。これら人間の文化をつくってきたいくつかの基本的な観念も、この透視図的な感覚から生まれたもののように、私には思われる。透視図的な世界が溶解していくことは、私たちの文化そのものが溶解し、変質していくことだろう。 》91頁《 現代ほど美術の形式が…
『現代の美術 art now 別巻 現代美術の思想』講談社(第13回配本)1972年5月20日第1刷発行、高階秀爾・中原佑介 編を少し読んだ。 〔3〕ジャン・カスー「芸術と異議申立て」1968年発表《 歴史の中に位置しているとは、時間の中に位置していることであり、そのことは運動を含むのである。変革を含むのである。変革は、現にあるものを批判し、ないものを誘発することによってなされる。(引用者・略)芸術があくまで繰り返しをはかることに絞られるならば、もはやそれは芸術ではなく、芸術の腐敗、アカデミズムである。 》84頁《 創造の世界では、創造されたものはそれ自身創造であり、一切が創造である。 かくて…
『現代の美術 art now 別巻 現代美術の思想』講談社(第13回配本)1972年5月20日第1刷発行、高階秀爾・中原佑介 編を少し読んだ。 〔2〕クレメント・グリーンバーグ「近代主義絵画」1966年発表《 近代美術が理論的な臨床は何もしていないということを、私は繰り返して言いたい。それどころかむしろ、すべての理論上の可能性を経験的な可能性に移し変え、それによって美術に関するあらゆる理論が美術の実際の制作と経験に適しているかどうかを、無意識のうちに実験いていると言えるだろう。近代主義はこの点でのみ、美術をくつがえすものである。美術を制作し経験するために絶対に必要と考えられている多くの要素が、…
『現代の美術 art now 別巻 現代美術の思想』講談社(第13回配本)1972年5月20日第1刷発行、高階秀爾・中原佑介 編を少し読んだ。 〔1〕ジョルジュ・デュテュイ「イメージをなくすことはできるか」1961年発表《 この間の戦争が終わってまもなく、造形美術の領域でこれまでに例のない断絶の生じたことがわれわれに通告された。ほとんどみなアメリカ生まれ、ないしはアメリカに住む画家の一団が、当時、過去の白紙還元(タブラ・ラーサ)を試みていたのである。アルタミラの洞窟壁画の尖鋭なリアリズムから、今世紀になって案出されたさまざまの形象にいたるまで、およそ絵画というものが成り立つための対象または口実…
『現代の美術 art now 別巻 現代美術の思想』講談社(第13回配本)1972年5月20日第1刷発行、高階秀爾・中原佑介 編、高階秀爾「はじめに」を読んだ。《 めまぐるしく変貌する歴史のなかにつぎつぎと登場してくるさまざまの流派、主義、グループ、傾向が、それぞれ、あるいは自らマニフェストを発し、あるいは自己の美学を開陳し、あるいは批評家の理論的支持を受けるという現代芸術の在り方そのものが、はっきりと芸術の「思想的性格」を物語っている。もちろん、それは、造形活動が単にある理論、ないしは思想の絵解きだということではない。芸術家が外界との接触を通じて、世界の中における自己の位置を確認し、ものと人…
『現代の美術 art now5つくられた自然』1971年8月25日第1刷発行、編著・中原佑介の解説「つくられた自然」を読んだ。 味戸ケイコさんの絵『寒い日』1981年を鑑賞。初秋の気配を感じたせいだろうか、あるいは『現代の美術 art now』に疲れたせいか。多分そうだろう。この絵を見たくなった。 http://web.thn.jp/kbi/ajie.htm 午後、気力回復。 「デュシャンと白い便器」《 1917年、ニューヨークのアンデパンダン展(無所属美美術家展)が開催されたとき、マルセル・デュシャンは友人のジョセフ・ステラと語らって、白い小便用の便器を一個出品した。便器は〈泉〉というタイト…
「現代美術への道」、中原佑介「芸術思想の国際化──両大戦間の動向をめぐって」を読んだ。《 第一次大戦が文化や芸術にもたらしたものはひとことで尽くせないが、そのもっとも際立ったひとつとして、国際主義の自覚ということが挙げられるだろう。国際主義といっても、汎ヨーロッパ主義という性格を脱するものではなかったが、そうではあっても、第一次大戦前と較べて、それはきわめて大きな違いであった。この国際主義のもっとも具体的なあらわれは、詩人や芸術家が国籍を超えて共同ぢ、さまざまな機関誌や雑誌を刊行したことである。そうした雑誌は、国際的連帯の端的なあらわれであり、また表明でもあった。 》117頁《ここでは、こうし…
『現代の美術 art now1先駆者たち』、中原佑介「4 自然からの訣別」。《 というより、第二次大戦後にみられる現代美術の動向が、立体派のもつそうした先駆的意義を改めて発見させたのである。1961年、ニューヨーク近代美術館で開かれた「アセンブリッジ展」は、(引用者・略)アセンブリッジの先駆としてクローズ・アップされたのが立体派の「パピエ・コレ」であった。また、ポップ・アートもその先駆的仕事を、身の回りの日常的物体に注目した立体派にみることができる。立体派の画家がひとつの対象を多視点からとらえて描くことにより、20世紀美術の新しい視覚を切りひらいたというのは、いわばこれまでの通念であったが、戦…