積分される関数のこと.不定積分 であれば, が被積分関数である. 原始関数を求める際,被積分関数の形のわずかな変化で方針が大きく異なることがある.
被積分関数の分母が 2 次式であるような場合を考える.このとき,分母の式が 1 だけ違うだけで,積分の方針が大きく変わることがある.
分母は簡単な形に因数分解ができる.そこでこれを部分分数に分解して,個々に積分する.
分母は の平方である.
分母が実数の根をもたない. ここで とおく. であり,
不定積分を求めようとすると少しめんどくさいのような三角関数の有理式について、不定積分を求める技巧的な方法を前からまとめようと思っていたので、書き出しました。 究極的には での置換が万能ですが、とにかくめんどくさいので、それを避ける方法を書きます。 以下、は積分定数です。 (1) 教科書的にはとしてからで置換するという手順で を得ますが、かなり面倒な上、求まる答えがきれいではありません。 で置換した場合にはが得られますが、こちらも面倒な上に答えがきれいではありません。 ここでは、知っていれば簡単かつきれいな答えが求まる方法を紹介します(逆に、知らなければ思いつくのは不可能でしょう)。 (2) 教…
ゲージ場の経路積分量子化で使われるファデエフ-ポポフの方法は一体何をやっているのかを,簡単な積分で考えてみる. この積分は発散している.そこで次の変数変換を行う. 発散は 積分から生ずる.このように収束する積分と発散する積分を(物理的な意味づけのもとに)分離する方法がファデエフ-ポポフの方法である. は次のような変換(''ゲージ変換'')で不変である。 は定数である。これは被積分関数が のみの関数であるためである.この式を一種のゲージ変換とみなすと, を変えたときに が移動する軌跡はゲージ軌跡と呼ばれ、どの も と同等の寄与を に与える。発散は の自由度(ゲージ変換の自由度)の積分から生ずる.…
プレイヤーからリーダーをはじめてリーダーシップやマネジメントというものをやってみて、そろそろ2年になる。 せっかくだし、この経験知をアウトプットしたいと思う。 どこかのカンファレンスで一介のpythonのプログラマーだった自分がレコメンドチーム、データサイエンティストチーム、Railsチームと全く違う職能でチームを組成したリーダーシップノウハウを紹介したい— いりす (@irisuinwl) 2024年10月31日 X (Twitter) にこんなことを書いたが、いざ自分の脳内を形式知にするのは中々難しいことに気付いた。 この記事では、自分の経験から見えてきた断片的な考えをまとめて、自分が認識…
今回は留数定理です.留数定理を知っておいてほしい理由は,自己回帰過程の分解の計算に使うからです.留数定理では,下図のように周回積分する単一閉曲線の内側に,特異点と呼ばれるトゲや穴,,が複数ある場合を扱えます. 複素平面にある特異点のイメージ (実際は実部と虚部それぞれに値があるので一つの図で表せない).単一閉曲線の内側に,特異点,,がある場合. 基本事項の確認 前回紹介した複素積分のポイントは,下図のように,周回積分する単一閉曲線の内側に,特異点と呼ばれるトゲあるいは穴が一つあるかどうかです.トゲと穴は,それぞれ,無限とマイナス無限までのびています.私は,下図右の絵のような穴を感じるので,落ち…
複素積分について勉強したでしょうか.私は数学者ではありませんが,昔,ある大学で,線形代数とか,複素関数論とか,数学の基礎科目の講義を一通り担当していました.毎週6~7コマ担当なので,結構疲れて,肩が痛かったです.その当時は,お前の仕事は講義と大学の雑用で,お前の研究成果なんて誰も評価しないぞ,というような環境でしたが,研究は好きだったので細々と続けていました.ということで,昔作成した図を使って,今回は複素積分で印象に残しておいてほしいポイントをまとめます. 点Pから点Qまでの線積分 複素積分 関数 と曲線 を考える.このとき,の曲線に沿っての複素積分は,です.とかの積分は上の図でイメージしてく…
(ページ内リンク先)▽はじめに▽ 微分とは何か▽定義の言い換え ▽関数の増減表 ▽微分可能の定義の拡張=区間の端での微分可能の定義▽接線の定義▽右側微分係数と左側微分係数 ▽関数の連続を前提にした、とある定理 ▽微分不可能が微分可能に変わる例 ▽行なって良い変数変換の条件▽例題2.4▽微分の式の前提条件:関数が存在すること▽リーマン積分可能の定義▽積分が不可能な関数(はじめに)「微分・積分」の勉強について 高校2年生から、極限・微分・積分の「意味がわからない」「つまらない」「教わる計算方法が正しいと言える理由(証明)がわからない」で数学の学習から脱落する高校2年生が多いらしい。 その脱落の原因…
rotに関する公式 lim(S->0)(1/S)∲(S周囲)E・dl =n・rotE を導出する 図1 問題 ∂Ex/∂x (Ex0,Ey0,Ez0における)ーー><xx>∂Ey/∂x (Ex0,Ey0,Ez0における)ーー><yx>∂Ez/∂x (Ex0,Ey0,Ez0における)ーー><zx>などと書く。 Exo,Eyo,Ez0とこれにより、S周囲のEx,Ey,Ezを近似する。以下では定数として扱う。 Sの周囲での周回積分(線積分)をAとすると、 A=∫(Sの周囲)E・dl つまり、ベクトルEと線素dlの内積をSの周囲で積分する。 ここで、 E=Ex*i+Ey*j+Ez*k dl=i*dx+…
皆さん、こんにちは。 今回は「統計学」の第2弾として、連続的な値を取る確率変数を扱う「連続確率分布」について扱います。 前回 離散確率分布の代表例 ~一様分布、ベルヌーイ分布、二項分布、ポアソン分布~ - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)
Simple Description 偏微分 全微分 線積分 例1 例2 多重積分 円の面積 ヤコビアン 円の面積 ガウス積分 テイラー展開 オイラーの公式 ラグランジュの未定乗数法 Basic Problems 偏微分・全微分 線積分 可積分条件 極座標での積分 オイラーの公式 ラグランジュの未定乗数法 Standard Problems 偏微分係数の公式 ポテンシャル 完全微分 球の体積 平衡点周りの質点の運動 グリーンの定理 線積分と面積分 三角関数の公式 ラグランジュの未定乗数法 Simple Description 偏微分 他の変数を固定した微分. $$\pdv{f(x,y)}{x}…
前回のあらすじ 三角形ABDがx軸周りに回転するとき、この三角形が通過する3次元領域の体積を求めるのが本問題の最終目的であるが、前回はその練習問題として三角形ABCがx軸周りに回転する場合の領域の体積を求めてみた。これは正解の「上限値」を調べる相当する(変分法みたいな思考方法である)。上限値から正解値まで値を「下げる」には、線分BDによる積分領域の変更を加味する必要がある。場合分けが発生して多少面倒になるが、「カラータイマー」はまだ点滅してないはずである。 線分DBの表現 線分DBの上にある点Qがどのように表せるか考えたい。Qの位置をパラメータ$t$で表せると楽になる。つまりQの「座標」のよう…
自分用の勉強記録です.正則性や収束半径などはそれが成り立つ適切な範囲で考えてると思ってください. ラグランジュの反転公式の主張 形式的冪級数 $f, g$ が $f(g(x)) = x$ を満たすとき,任意の $n \in \mathbb{Z}$ に対して $$n[x^{n}]g(x)=[x^{-1}]f(x)^{-n}$$ 証明 よく見る証明は微分して頑張るやつですが,本記事では複素関数の計算による証明を与えます.以降,$ i $ を虚数単位とします. $ C $ を単純閉曲線とし,Cauchy の積分公式, $$g(z) = \dfrac{1}{2 \pi i} \int _{C}\dfr…
皆さん、こんにちは。 ついに「数値解析」シリーズも一応の最終回です。 最後に紹介するのは、有限要素法で登場する「剛性マトリクス」を計算するのに必要な積分の数値解法、「ガウス・ルジャンドルの積分公式」について紹介します。
前回の記事(↓)の後半戦です。 pedantic-ganger.hatenablog.com 前回はtan置換(STEP1)を行い、式からタンジェントを取り除いたものの、式変形の次の方針に苦戦していたのでした。 今回はここから面白いテクニックを引用しつつ、回答の決着までつけようと頑張りました結果のご報告です。
皆さん、こんにちは。 今回は「数値解析」の第2弾として、定積分をコンピュータに計算させる方法「数値積分」について紹介したいと思います。
冬山徹(ふゆやま・とおる)です。B3の物理学科の人です。この度、学科の進学者ガイダンスで優秀な教員の方々が「嵐」と表現した悪名高い3Sセメスターを無事*1*2終え、なんとか基礎的な物理を習得できたのかなというところです。 そこで、前から読みたかったけど前提知識不足で読まなかった本をいっぱい読むことにしました。この記事は「よくわからなかったが、ちょっと今考えたくない」行間や記述などをメモしておくものです。 一応ここに載せてあるものは**自力で解決したい**と思っていて、本当に他の人の力を借りたい疑問はTwitterに流して区別することにしようと思っている*3ので、めっちゃ簡単な疑問があっても暖か…