佐藤洋二郎『偽りだらけの歴史の闇』(ワック、2023) 五百年後にも、もし日本という国家が存続していて、日本人という国民が住んでいたとして、開闢以来もっとも長かった元号である昭和時代の事績として書き残されているのは、いかなる事項だろうか。 第二次世界大戦の一部をなす大東亜戦争があったことは、残っている気がする。核兵器が炸裂した最初の戦争という記事も、残っている気がする。あとは、現代史の重要事項として、今容易に思い浮べられる事項とは、だいぶ異なった序列になっている気がする。 法隆寺の大修理や、薬師寺の西塔再建が残るのかもしれない。それともスーパーカミオカンデか残るか青色発光ダイオードが残るか、天…