(1901〜1964) 1901年(明治34年)1月4日生まれ。大正〜昭和時代の脚本家・作家。青森県八戸市出身。慶応義塾大学卒。モダンな作風で知られる。松竹蒲田在籍時には「蒲田きってのモダンボーイ」と言われた。
牛原虚彦監督作品『彼と〜』シリーズや、サイレント時代の小津安二郎監督作品『カボチャ』『淑女と髯』『お嬢さん』『東京の合唱』、成瀬巳喜男監督作品『限りなき舗道』、日本初の本格的トーキー、五所平之助監督作品『マダムと女房』などを手がけた。
白猫別荘:北村小松 1948年(昭23)新太陽社九州支社刊。 怪奇小説集と銘打った短編集全9篇を収める。終戦直後の刊行で版組や用紙が粗悪のため、印字も不鮮明で読みにくい。怪奇趣味というよりも、人間心理の奥底にある不可解なものを完全には否定も肯定もしきれるものではないことを気づかせてくれ、どこか文芸的な香りも感じられた。文体としては表面がザラザラとした紙のような滑りにくさがあった。相性の問題かも知れない。戦後の横浜市街の様子には親しみが感じられた。☆☆ 国会図書館デジタル・コレクション所載。個人送信サービス利用。 https://dl.ndl.go.jp/pid/1134075 白猫別荘:北村小…
『時局と人物』は時局と人物社発行、第百書房発売。2巻1号は昭和14年1月発行。表紙のイラストは洋装の婦人。裏表紙の広告がいい。第百書房発行のユーモア小説三人集のもの。兵隊さんは戦地に長く居るので、顔がひげだらけ。その顔で白い歯を見せて笑ってゐる。滑稽百出、爆笑の雨だといふこの本を読んだのだらう。第百書房と今日の問題社は一体のやうで、他の書籍広告は今日の問題社のもの。 本文では北村小松が「現代小説 電影女王」を書いてゐる。画は筒井直衛。上海の銀幕の女王、葉琴芳を主人公にしたもので、冒頭で意味ありげな紙片を渡されたり、新聞記者が噂し合って「誰だつて一度は夢中(クレーヂイ)になつてしまふぞ!」と言っ…
監督 成瀬巳喜男 脚本 池田実三 原作 北村小松 出演 忍節子 山内光 磯野秋雄 若葉信子 葛城文子 香取千代子 日守新一 結城一朗 井上雪子 三井弘次 阿部正三郎 突貫小僧 坂本武 笠智衆 松園富士子 荒木貞子 六郷清子 勝美朗子 仲英之助 忍節子・磯野秋雄 この作品は前にも記事にしましたが途中までのアップでしたのでなんだか最後がわからず・・最近フルバージョンで見たのでもう一度記事にします。 書き出すまでにスクショを撮っていると当時の銀座ロケが多くて思わずその場所を調べたりしてそれが非常に面白かったです。ただ主人公の勤める喫茶店近辺くらいしか場所がわからず。 杉子(忍節子)は銀座でウエイトレ…
『古代の洞窟』 チベット少年僧の不思議な物語 T.ロブサン・ランパ 中央アート出版社 2008/7 <『第三の眼』> ・本書は、かつて世界的なベストセラーとなった『第三の眼』の著者、チューズディ・ロブサン・ランパの続いての著作である。『第三の眼』は1956年に英国で初版が発行され、当時全く知られなかったチベットの国情、その奇異な習慣、そして神秘的なチベット仏教のあらましが著者の僧院での修業時代の物語を通じて明らかにされ、一躍世界の耳目を集めた画期的な作品であった。 一方、本書は、その5年後に、当時ロブサンが滞在していた米国において刊行されたもので、これまた少年時代のロブサンの厳しい修業時代の一…
(2024/3/8) 『神になりたかった男』 回想の父・大川隆法 宏洋 幻冬舎 2023/9/28 <宗教への目覚め> ・しかし、隆法は、留年までしたにもかかわらず狙っていた司法試験に落ち、さらには上級国家公務員試験にも落ちてしまう。隆法は東大に助手として残ろうとしたが、成績が悪かったためにそれにも失敗する。 どん底の隆法は、なんとか総合商社である(株)トーメンに就職してサラリーマンになった。 <「霊言」が下りてきた> ・東大の卒業を控えたこのころから、隆法は宗教法人GLAの創始者である高橋信次の本を読みはじめ、かなりの影響を受けたらしい。 そして間もなく、「霊言」を聞くようになる。 ・198…
青森県立図書館と同じ建物にある、青森県近代文学館に行ってみた。 中央大橋通りを南下して、環状道路を過ぎてすぐです。 建物二階に受付がありました。ポスターがデカデカと貼ってあります。 入り口はこちら。青森県を代表する作家がずらり。 佐藤紅緑 秋田雨雀 葛西善蔵 福士幸次郎 石坂洋次郎 北村小松 北畠八穂 高木恭造 太宰治 今官一 三浦哲郎 長部日出雄 寺山修司 図書、雑誌以外にも、自筆原稿、ノート、日記、書簡、遺品など、展示されていないものを含めると16万点もあるそうです。 常設展示の奥には企画展示があって、食品と関連した各作家のエピソードがありました。 現役ですが「呉勝浩」さんも青森県出身らし…
日曜日。WOWOWシネマで夜9時〜映画『アイ・アム まきもと』(阿部サダヲ、満島ひかり)初放送(ラストの展開にびっくりだったんだけど海外映画のリメイクだと聞いて納得。オリジナルの映画『おみおくりの作法』は放送前の夜7:15〜放送)。夜11時〜WOWOWシネマで映画『恋のいばら』(城定秀夫監督、松本穂香、玉城ティナ)初放送。 朝7:00-7:30 フジテレビ『ボクらの時代』[TVer] 【出演】ゆりやんレトリィバァ×ガンバレルーヤ・まひる×よしこ×紅しょうが・熊元プロレス 朝9:00-9:45(翌週日曜夜8時〜再放送) Eテレ『日曜美術館 まなざしのヒント キュビスム』 “美術の楽しみ方を展覧会…
『コロポックルとはだれか』 ―中世の千島列島とアイヌ伝説 瀬川拓郎 新典社新書 2012/4/24 <封印されたアイヌ伝説> <小人伝説はおとぎ話か> ・昔は十勝川に沿ってアイヌのほかにコロポクウンクル(ふきの下に住む者)という、ふきの下に5、6人が集まって住むぐらい小さい者たちがいた。コロポクウンクルは何でも人に与えるのが好きで、ごちそうを椀に入れてアイヌの戸口のござの下から差し出し、それをアイヌが受け取って押しいただくと喜んでいた。あるときアイヌのウエンクル(悪い奴)が、ごちそうをもってきたコロポクウンクルを家の中に引っ張り入れると裸の女であった。女は泣きながら帰ったが、あとでコロポクウン…
(2023/12/19) 『ダーク・ミューズ』 オカルトスター列伝 ゲイリー・ラックマン 国書刊行会 2023/9/22 <闇の詩神> ・隠された、秘密の、秘教的な、未知の。これらは「オカルト」という言葉の辞書における定義の例である。「オカルト」の語源はラテン語の「オクロ(occulo)」、つまり「隠す」で、天文学用語「オカルテーション(掩蔽)」――ある天体がもうひとつの天体の前を通過することによってそれをかすませる、つまり「塞ぐ(オクルード)」こと――ともつながっている。しかし、一般的な見方では、「オカルト」とは、サタニズムや魔術、新聞の星占い欄から、インタ―ネット霊能者、UFOまで、多様な…
全県秋季中学校バドミントン大会 週末にリリオスで開催された 全県秋季中学校バドミントン大会。 男子ダブルスに出場した2人は 善戦しましたが初戦で惜敗。 がんばりました! 1回戦 折原・髙橋 0-2 北村・小松(大曲) ランキング参加中【公式】2023年開設ブログ ランキング参加中教育
(2023/10/26) 『江戸怪奇標本箱』 藤巻一保 花輪和一 柏書房 2008/2/1 <霊界の乗り物の怪> <過去を容れておける壺> ・壺公(ここう)という仙人がいる。葛洪(かつこう)の『神仙伝』に登場する古代の仙人で、壺のなかの仙界、壺中天(こちゅうてん)に住んでいた。費長房(ひちょうぼう)という役人がそれを見て壺公に弟子入りし、のちに彼も壺中に入ることを許されて、地仙という位の低い仙人になった。 壺公らが入りこんだ壺というのは、“タマの宿り場”の一種だ。 タマとはヒトダマやタマシイ、祖先の霊を祀るお盆のタママツリなどのタマで、霊魂や神を表す日本の古語だ。 このタマには、特徴的な習性が…
古本市で買った本。1978年発行。 1945年から1960年までの間に発表された日本SF短編のアンソロジー。短編なのでサクサク読める。よい。 星新一「収穫」 この作品集の中ではかなり異色で星新一らしいが、星新一の作品全体の中ではあまり星新一らしくない気がする。初期の作品だからか。水爆衛星の話。 飯沢匡「日本陥没」 日本沈没のドタバタ戯曲。日本沈没が頭にあるとなぜ陥没なんだろうと思うが、浮かんでいるものが沈没するのであって、隆起したものは陥没するのが正しい使い方だろう。つまり日本陥没が正しい。 斎藤哲夫「宇宙混血」 有人火星探査の話。混血はないだろうと思ったら、ちゃんと遺伝子操作していた。 香山…
編者は俺より若いんだな。 いきなりの漱石はやはり辛辣。 日本はまだ普請中という鴎外。 通人は桜より紅葉や萩を見たと寒月。 夜中に隅田川で漁猟をしてる人に言及する露伴。 神楽坂や茗荷谷を語るにほぼ総ルビな鏡花 ラッシュの電車の客の狂態を活写する荷風 隅田川ノスタルジーを語る龍之介。 意外にも浅草の客を偏愛な潤一郎。 新旧の東京を縦横に通り過ぎる寅彦。 震災後の東京を冷徹に語る久作。 乞食の品格を語る堀辰雄。 資本主義を語る尾崎士郎。 まさに魔窟の政財界を描く吉行エイスケ。 円タクの法規無視は新宿で最も発揚すという北村小松。 丸ビルは大きな水そうで、中に、無数の目高が泳いでいると喝破した小津。 飯…