善教寺の草創は、寺伝では関東で大きな勢力を持った結城一族の結城直朝が十五世紀前半関東を離れ、曲折を経て姫路幅中村に落居し草庵を結んだのが始まりと言われ、その後裔である教薫が永正三年(一五〇六)、天台宗から真宗へ帰依したと伝えています。それは本願寺第九世実如上人の時代になります。木仏や御絵像に記された裏書きはそれぞれ寺の歩みを語り継いでいると思われますが、元和九年(一六二三)善教寺祐心は木仏の裏書きを願出で本願寺で居十二世准如上人から裏書きの下附を受けています。 更に祐心は寛永十八年(一六四一)「蓮如上人真影」、寛永十九年(一六四二)には「親鸞聖人御影」の下附を願い本願寺第十三世良如上人から下さ…