7月の参議院議員選挙を前にして、日本の進むべき方向についての議論を聞くことが多くなりました。ロシアのウクライナ侵攻の影響で、「日本も軍備を増強すべきだ」という意見が多くなっています。「ウクライナは核を手放したから侵略されたので、日本も核を持つべきだ」という人も出てきました。私の知人も「日本も核兵器がないと侵略される」と話していたので驚きました。日本の軍備をどのように考えたらいいのでしょうか。私は国際政治学の専門家である藤原帰一さんの本を読みました。藤原さんは東京大学大学院で政治学を教えていた先生です。 まずは、「日本は核を持つべきか」という問題です。核兵器を持っていれば、それが抑止力となって攻…