10年前の4月28日に母が亡くなった。2011年の6月初めに四十九日の法要があった。母のことを書き出せばきりがないし、ここではそういう母への個人的な想いを書く場所ではないだろう。以下では、そのとき法要の様子を観察して分かったことや考えたことを書いてみる。 我が家の宗派では、法事では一人ひとりお経や和讃、歌の載った本が渡される。法要では導師に和してあるお経を朗誦することが勧められる。その「お経」を見てみると、親鸞の「正信偈」である。これはすべて漢文で書かれている。これが、中学生の娘を含め漢文が白文で読める者など誰もいないと予想される全員に渡されて、唱和が求められる。 しかし私は、母の大事な法要で…