昭和のユーモア作家・獅子文六の『やっさもっさ』(昭和27/1952『毎日新聞』連載)は、「国は敗れ、山河とパンパンだけ残った」頃の横浜を描いた小説です。舞台は、〈混血児の孤児院〉。先日、その孤児院をイメージさせるカラー写真を見つけたので、紹介させてください。 『やっさもっさ』と混血児の孤児院 まずは『やっさもっさ』における孤児院の描写を引用します。 ララ物資*1のアメリカの古着を着た子供たちは、見ようによっては、ハイカラな姿で、且つ、よく似合い、どこかの植民地の幼稚園へきたようであった。 ▽そして『やっさもっさ』を連想させる写真がこちら。flickrから[Orphans 1955-1957] …