近年の国債増発が戦時下と似通っているとして問題視する向きがある。 大東亜・太平洋戦争直前の1941(昭和16)年、隣組読本『戦費と国債』なる大政翼賛会制作の冊子が国民に配られた。 このように<心配は全然無い>と言っていた国債が戦後紙切れ同然となってしまったという苦い経験がある。翻(ひるがえ)って、現在日本はGDPの2倍を超える債務残高があるとされ、戦時下の状況と重なるのである。 が、敗戦直後は、国債を「償還」しようとした(借りていたお金を返そうとした)ことに問題があった。大量の国債を償還しようとすれば、大幅な増税か「超インフレ」(hyperinflation)しか手段がない。大幅な増税なく償還…