演劇を見たくなり、4月19日に最前列の席が取れた三鷹のホールに赴いた。劇作家・岸田國士が大正時代に書いた「葉桜」の朗読と、時代を現代に置き換えた2人劇「あたしら葉桜」が連続して演じられた。 舞台は8畳ひと間。登場人物は母と娘、とシンプルな舞台設定。娘の恋人のことを知りたがり質問攻め、カレシの人間像や結婚生活を妄想し、娘の相手にふさわしいかを早合点する母親。いつの時代も年頃の娘を思う母親の心情は変わらないのだろうな。 そんな感想を持った私だが、入場時に渡されたチラシによると、作家は家父長制の色濃い時代とネット社会の現代との恋愛観や結婚観、大正末期の口語と現代の関西弁口語と、「比較」の妙を狙ってい…