『じいじが迷子になっちゃった』(城戸久枝著)(偕成社刊)を読んだ。 こちらは以前読んだ『あの戦争から遠く離れて――私につながる歴史をたどる旅』(情報センター出版局、新潮文庫刊)という作品を元に書かれたもの。 著者の父親・城戸幹は中国残留孤児として日本に初めて帰国した人である。まだ中国残留孤児という言葉が一般的でない時代に自力で自分の身元を探り出して日本に帰ってきたのである。 第二次世界大戦で日本が敗戦したときに満州から日本人が大勢引き揚げるときの混乱で中国に取り残された城戸幹(父親)。 幹は中国では中国人の両親に引き取られて愛情深く育てられた。しかし、敵国だった日本人の子ということで「小鬼子」…