『新装版 殺戮にいたる病』(我孫子 武丸,講談社,2017年11月1日)を読了。 今ようやく分かった。セックスとは,殺人の寓意にすぎない。犯される性はすなわち殺される性であった。男は愛するがゆえに女の身体を愛撫し,舐め,噛み,時には乱暴に痛めつけ,そして内臓深くおのれの槍を突き立てる――。男はすべて,女を殺し,貪るために生まれてきたのだ。(41 ページ) 「セックスとは,殺人の寓意に過ぎない」ということは,まだ分からない。 やはり,女は困った生き物だ。そう,生きている女は。 いい女は死んだ女だけ。 どこかで聞いたようなジョークだと思いながら,稔は笑いをこらえることができなかった。(93 ページ…