長年、口癖のように「器の本を作りたい」と言い続けてきたのですが、今年はその夢が叶う年になりました。僕が、器をはじめとする手仕事の世界に関わるようになったのは、ミレニアルの頃。 勤めていた百貨店で和食器売場の歯車として、はじめは品出しをしたり、検品をしたり。その後は買付をしたり、展示の企画を立てたり、そういう仕事をこなしていく中で器のおもしろさに目覚め、うっかり(本当に”うっかり”という感じ)独立してしまい、流れ流され現在地に漂着しました。 開業したのは現在のような器ブームが起こるずーっと前で、今思えば、商いをスタートさせるにはけっこう難しい時期でした。最初の数年のうちにリーマンショックと東日本…