のぶみ。 過去に陰惨ないじめをしていたことが取り沙汰され、オリンピック開催の直前、プロジェクトを辞退した絵本作家だと知り、図書館で何冊か借りてきた。『うまれるまえにきーめた』はその一冊。 題名からして既視感だった。 子供達の胎内記憶を語り広めた産婦人科医が携わる映画ができた時、関連のホームページに回収率は四十五パーセントだったというアンケートの結果が載った。ごく簡単なものだったけど。 でも、回答者は千人以上。 百人に聞いたというのぶみがこの調査結果を拝借したことはなさそうだ。 じゃあ、出所は。 そう思った。 こういう疑問を持てる程度には、私は「騙されないぞ」という警戒心が持てるようになったのだ…