連載<続・砂上の安全網>② 桐生市の生活保護制度の運用をめぐる問題は、第三者委員会が始動し、4月3日には利用者2人が市を相手取って国家賠償請求訴訟を起こして実態解明に向けた段階に入った。新たな証言やデータから、同市の生活保護行政が再生できるのかを問う。 ◇ ◆情報公開請求で判明した「特異点」 桐生市をめぐる一連の問題では、社会福祉専門家や法曹、支援団体関係者らによる全国調査団が結成された。活動の一つに、情報公開請求を通じて入手したさまざまな資料の分析があった。 調査団の一員として分析を担当した桜井啓太・立命館大学准教授(社会福祉論)は3月、ある特異点に気付いた。生活保護利用者で働く能力がある人…