侏儒の呟き(6)~夏のつぶやき、あれこれ~ ○対話、交渉、その他緊張を緩和する道はいくつかあろうが、成功しなければそれは大抵相手への非難で終わる。対立が深まり攻撃が正当化される。平時なら理性のもとに抑えられているものが、戦時になると途端に頭を擡げてくるのだ。疑念、差別、嫌悪、憎悪、そして殺意等々。人の命を奪うことが平和を守ることだ、正しいことだと認識されるとは、やはり戦争は人類が抱えた最大の矛盾である。 ○広島に今年も暑い夏が来た。「原爆の日」は今年で77回目になるそうだ。言い換えると、あの日から77年にもなるのにまだ人類は核の脅威と闘わねばならないということだ。理性も叡知も備えた筈の人間が、…