環八沿いのトランクルームのビル。なんだか現実とは思えない、すなわちイラスト画のように、汚れなくピュアで、明るく無機質で、幾何学的で余白がなく、もしかすると底知れず怖い。 某さんと話していて、私は石川啄木の代表作をなんも知らないことを痛感した。勉強不足で恥ずかしい。そんなことがあったので、石川啄木×代表作、などという検索をしてしまった。安易な検索が良いことなのかわからないけれど。知っている、あるいはうろ覚えの歌は四つくらいしかなかった。 砂山の砂に腹這い初恋の いたみを遠く思い出づる日 この歌も知らなかった。 夏の太陽に照らされた砂浜は熱くて裸足で歩けない。それはよく知っている。誰でも一度はそう…