編集者、ライターである著者が、かなり問題のある自分の家族を語ったデビュー作である。 著者は祖父が倒れたとの報に帰郷することになった。問題のある家族から距離を置きたかった著者にとって久々の故郷である。 祖父は元ヤクザの乱暴者、宗教を嫌う祖父のDVに泣かされてきた祖母は熱心な宗教信者、その間に生まれた母は先天的な聴覚障害で父親は後天的な聴覚障害者(因みに祖母の入信は娘の障害が原因である)。問題児の伯母佐知子、もう一人の伯母由美は一家ごと熱心な信者という、なかなかににぎやかな一家だ。 病院で祖父が亡くなり、伯母たちに喪主を押しつけられて途方に暮れる著者。子供の頃からの家族の有り様を思い起こし、記して…