徹夜で作った銀の指輪 僕が杉森映徳を取材したのは、宗像支局に勤務していた頃だ。 ※アーティストネーム:すぎもりえいとく 1998年だっただろうか。 彼は、福岡教育大の大学院生だった。 食肉センターで手に入れた牛の首を鍋で煮る路上パフォーマンス。 その肉を食った後に残った骨で作る立体作品。 彼の風貌や話し方、思考と発想。 1950年代から1960年代に活動した前衛美術グループ「九州派」の匂いがした。 ※勝手にそう感じただけで、彼が九州派の影響を受けているかどうかはわからない。大きく違うのは、彼は群れない芸術家であるということ。 彼の魅力と才能に惹きつけられ、僕は何度も飲みに誘った。 千恵と映徳が…