ずっと申し訳ないと思うことがあった。それはもう五十年近く心に残っている。贖罪すべきだった。時折それは、自分の行動意欲の邪魔になってきた。 悪戯だった。悪戯と言うよりも集団いじめというべきかもしれない。中学一年生。体に第二次性徴が起きる頃。体育の授業での着替え。誰かが着替え中のクラスメイトのズボンと下着を一気に脱がしてしまい成長の早い証を皆で見て、笑うのだった。その輪の中に僕もいた。笑いにはなにがあったのか。成長への畏怖か。憧れか。抵抗もせずに恥じる姿への畏敬だったのか。 高校生の頃。体操部所属の秀才が居た。大人しい美男子だった。何がきっかけだったのか、自分を含む何人かで、彼を「わざと無視しよう…