桐野夏生 (著)毎日新聞社2013/10/8 (内容)夫、子ども、家庭。自分にとってかけがえのない大切なものの筈なのに、どうしてこんなに毎日不愉快な思いばかりするのだろう。自分の誕生日に食事に来ているというのに、夫と子どもの口から出てくるのは自分を小馬鹿にした言葉ばかり。朋美は夫と子どもを店に残し、自由を求めてひとり車を走らせた。 (感想) 自分が日々なんとなく軽んじられている。不満は溜まるばかり。それが赤の他人だったら、納得は出来ないけどまだ仕方ないと思える。しかしそれが自分と同居している家族であるという事実。この物語は気軽なプチ家出と位置付けられそうですが、朋美は咄嗟の決心であっても、もう…