川端康成には「ちよもの」と呼ばれる作品群があります。成就しなかった初恋の人を扱ったものです。 川端22歳、ちよ15歳の時から交渉があり、翌年結婚話がまとまりましたが、少女の心変わりによって婚約は一方的に破棄され、川端の心に傷痕を残しました。 川端はこの少女に対する恋情をもとにした作品を数多く書いており、川端文学のひとつの分野をなしています。 新潮文庫に【ちよもの】を収録した「川端康成 初恋小説集」(2016.4発行) がありましたので紹介させていただきます。 「初恋小説集」に収録されている【ちよもの】 タイトル 頁(ページ) 1 南方の火 15-25 2 南方の火 (二) 26-29 3 南方…