1、作品の概要 『なつのひかり』は江國香織の書下ろし長編小説。 1995年に刊行された。 文庫で336ページ。 わたしと兄をめぐる、ひと夏の冒険ファンタジー。 2、あらすじ ある夏の朝、逃げたやどかりを探しに、マンションの隣に住む男の子・薫平が訪ねてきた。 20歳の栞は、やどかりを探しながら、兄・幸裕をめぐる奇妙な物語に巻き込まれていく。 書置きを残していなくなった兄の妻・遥子さん、愛人の順子さん、裕幸(?)の妻を名乗るめぐみ・・・。 やがて兄も栞の前から姿を消してしまい、キャラメルの箱から彼の途切れ途切れのメッセージが届くようになる。 少しずつ現実は融解し、夏の幻想に吞み込まれていき、栞は兄…