1944年5月に発覚した死体損壊事件である。
この名称は武田泰淳が1954年にこの事件を題材とした小説『ひかりごけ』を発表したことによるものである。日本陸軍の徴用船が難破し、真冬の知床岬に食料もない極限状態に置かれた船長が、仲間の船員の遺体を食べて生き延びたという事件である。食人が公に明らかになった事件は歴史上たびたびみられるが、この事件はそれにより刑を科せられた初めての事件とされている。