2020年初頭に端を発した新型コロナウイルス、SARS-CoV-2による感染症災害にたいして人類は、そして日本は、今のところ敗北続きである。根拠のない楽観論、ワクチン万能論、新薬待望論、エリートパニックによるリスクコミュニケーション不全、生存者バイアスによる世論の歪み、新興宗教と右翼を媒介とした「コロナはただの風邪」言説や陰謀論などなどによって戦線は打ち砕かれ、もはや「いつ過ぎ去るかも分からぬものが過ぎ去るのを待つ」という受動的な戦略しか取れなくなっている。そうしている間にも犠牲は積みあがっていく。 そして今、2022年7月下旬であるが、日本では感染拡大の波が再来し、20万人/日の感染者数を叩…