どうして、会社における権力抗争っていうのは面白いのだろう。 かつてドラマ化もされ、堺雅人さんと香川照之さんの名演技も相まって大人気となった、半沢直樹シリーズも、銀行における権力抗争や、上司との確執・反抗がテーマとなっていた。 本書「よこどり」もテイストは似ている。 主人公は、AG住永フィナンシャルグループの広報部長である寺田。 彼は、同社社長である竜崎の下で働くにあたり、最初に言われた言葉が印象に残っていた。 「君の手柄は、全て私の手柄にする」「私の失敗は、全て君のせいにする」「ただ、心配する必要はない。君も、君の部下に同じようにやればいい。それが銀行だ」 半沢直樹でも同様の考え方が銀行の常と…