6、赤い氷河期 「いやあ、参りましたねえ~、Qさん」 「ホントだね、船橋さん。まさかの展開だったモノねえ~」 東京に帰るため新大阪駅から新幹線に乗った船橋とQ。グリーン車に二人並んで、まずは乾杯をして一息ついた。 「お疲れ様でした」 「お疲れ様。ホント、疲れたよねえ~。で、船橋さんは相変わらず飲めないの?」 「ええ、まったくの下戸で」 「なんか、悪いね。私だけアルコールで」 「全然気にしないでください。わたしはこの缶コーヒーが大好きでして」 二人は新幹線に乗る前に売店で買ったビールと缶コーヒーを飲みながら、それぞれ今しがたの出来事をまるで夢物語のように思い返していた。 ――結局、土下座をしたま…