はじめに 国語学者の笹原宏之と共に全国の方言漢字を探す随筆。 本書は、2013年に角川書店より刊行された『方言漢字』(角川選書)に加筆し、文庫化したものである。 2020年7月に刊行された。 三省堂書店のウェブサイトに300本ほど連載された『漢字の現在』を基にしている。 方言漢字 (角川ソフィア文庫)作者:笹原 宏之KADOKAWAAmazon 大袈裟ではあるが、地域の漢字は標準的な漢字世界を異化する効果があるとは思う。 現にトマソンのような例があるし。 第 1 章 漢字と風土 漢字の起源として、半坡仰韶文化と大汶口文化の合流説などが挙げられる。 また、地域漢字の様態には字種や字体、字音、字訓…