エセ物語 (対抗言論叢書 3) 作者:室井 光広 法政大学出版局 Amazon 『エセ物語』室井光広著を、やっとこさ、読む。 作者、最後の未完の長篇小説。すごいと思う。面白いとは思う。しかし、しかし、ちゃっちゃとは読めない。とにかく時間をかけて読み進める。長距離読者の孤独である。 一応、内容を紹介してみる。「私の双子の妹と結婚していた」かつての夫(外国人)の膨大な遺稿集を読み解くもの。ユダヤ人ゆえ日本語名。重(ジュー)氏。重氏は、「西洋人(ユダヤ系アメリカ人)と東洋人(台湾のチャイニーズ)の両方に血脈を持つ」。「晩年は東アジアに関心を深めて」おり、遺稿集の章立ても「陰陽五行」を踏まえたものだと…