【75話】 その日、放課後の薄暗い教室で、ケンジとパチオと僕は三人で話をしていた。 ケンジが興奮気味に口を開いた。 「聞いたか!? クロタニ先輩が、まさかの族を立ち上げたらしいぞ!」 ケンジの声には驚きと尊敬が混じっていた。 俺は目を丸くした。 「マジか!? クロタニがそこまでやるとは…」 予想外の展開に、言葉を失った。 パチオが次に質問を投げかける。 「メンバーは誰なの?」 ケンジは熱を帯びた声で答えた。 「先輩から聞いたんだけど、総長はクロタニ先輩。副総長にはカオル先輩、イワサキ先輩、シロヤマ先輩、カガミ先輩、ゴロウマル先輩、トウゴウ先輩が名を連ねてる。そして、二年生にもオファーがあったら…