Arrigo Sacchi
イタリアのサッカー指導者。1946年4月1日生まれ。
アマチュアとしてプレーし、プロサッカー選手としてのキャリアはないが、指導者として成功を収めた。1985年に当時セリエC1のACパルマの監督に就任すると、1年でセリエBに昇格させ、2年目にはコッパ・イタリアでACミランを破る番狂わせを演じた。この実績を買ったACミラン会長のシルヴィオ・ベルルスコーニがサッキをACミランの監督に招聘した。
ACミランでは、フランコ・バレージ、パオロ・マルディーニ、アレッサンドロ・コスタクルタら4人のDFをフラットに並べ、DFからFWを距離をコンパクトにして高い位置からプレッシングをかけてボールを奪う、ゾーンプレス*1の守備戦術を構築。さらにルート・フリット、マルコ・ファン・バステン、フランク・ライカールトのオランダトリオも活躍した。就任1年目の1987-1988シーズンにスクデットを獲得、さらに1988-1989、1989-1990シーズンにはUEFAチャンピオンズカップ2連覇を果たし(インターコンチネンタルカップ/トヨタカップも連覇)、ACミランの黄金時代を築いた。
1991年、成績不振でACミランを退団し、イタリア代表の監督に就任。1994年のFIFAワールドカップでは、バレージらACミランの所属選手をチームの中心に据え、攻撃陣ではロベルト・バッジョの活躍もあって決勝に進出したが、決勝ではPK戦の末にブラジルに敗れた。1996年UEFA欧州選手権ではグループステージで敗退し、この責任を取って代表監督を辞任した。
*1:「ゾーンプレス」という言葉は和製英語で、サッキの戦術を取り入れた元横浜フリューゲルスの加茂周監督によって作られた造語。