アリス・マンローはカナダを代表する作家として揺るぎない地位を築いています。2005年には、「タイム」誌の「世界でもっとも影響力のある100人」に選ばれ、2009年にブッカー国際賞、2013年にノーベル文学賞を受賞しました。 彼女は女性の生き方を模索し続けた作家でであり、母性、優しさ、家庭を守るといった既成概念に捉われない新しい女性像を描く作品群を生み出しています。本作もその一つに位置付けられるでしょう。 《あらすじ》 ウィルが若いオーストラリア人女性を追って内縁の妻ゲイルのもとを去った後も、彼女はウィルの母親クリータと共に変わらぬ生活を続けていた。しかしある日、ゲイルはウィルが母親に宛てた手紙…