と言うよりも、美しかったことばかりを思い出すんだ。 本来そんなそんなキレイで素敵な日々だけなんて そんなわけあるはずもない。 ある日は酔って前後不覚となって 家族に迷惑をかけただろう。 飲酒運転で逮捕され、留置場で過ごした 一晩だってあったじゃないか。 なのに、なぜ良かったことばかりを思い出すんだろう。 しかも、その瞬間後にはもう悲しみや孤独感に襲われる。 それは、多分「楽しかったあの日:そうじゃない今」だ。 記憶の中から、甘美だったことばかりを抽出して 今との違いに嘆いたりする、こんな非生産的なことはない。 理屈ではわかってるんだが、俺はまだそこから脱していない。 そんな不毛な場所から抜け出…