アルティノグリュ

アラン・アルティノグリュのリズム感覚は何か非常に特殊なものかもしれない。彼の指揮する音楽を聞いていると、各パートにそれぞれ特有のテンポを割り振っており、彼がそのような複層的な時間構造を上位の次元で統合しているのではと思わされる。もちろん、要所要所では、オーケストラ全体をひとつの時間性に着地させはするけれども、全体としては、単一の基準に全体を従わせるというよりも、それぞれ自律した部分がなぜか次元を超えてシンクロしているかのような雰囲気がある。 それがとくに感じられるのはブラームスの演奏だ。アルティノグリュの手にかかると、ブラームスの驚異的なまでの複層性——流線形の旋律と対旋律、断片的な動機、刻む…

最近Apple Musicばっかり流しているので、今朝は久しぶりにNHK FMを聞こうとしたら朝の番組がない。しかたないので今週の聞き逃し配信の中から良さそうな日を選んだら、書き留めておくべきすごくいい演奏に出会ってしまった。 ピアノ協奏曲 イ短調 作品１６リーリャ・ジルベルシュテイン(ピアノ) 、エーテボリ交響楽団(管弦楽) 、ネーメ・ヤルヴィ(指揮)作曲： グリーグ（29分44秒)＜ポリドール POCG-1692＞ 今日の3時頃に聞き逃し配信も終わってしまうが、録音が発売されているものらしいのでApple Musicで探した。 グリーグのピアノ協奏曲はこれしかないので、すぐにいろいろ見つか…

コンサート雑感、今回は令和6（2024）年1月27日に聴きに行きました、東京ユヴェントス・フィルハーモニーの第25回定期演奏会のレビューです。 日付間違っていませんか？同じ日にクレセント・フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会に行ってますよね？という、ア・ナ・タ。いいえ、間違っていません。クレセント・フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会と同じ日に、東京ユヴェントス・フィルハーモニーの定期演奏会にも行っております。同時に別のコンサートを聴いたのですかって？いえいえ、私は聖徳太子のような特殊な能力を持っていません（まあ、自分で言うのもなんですがある程度未来を見通す力はありますが）。配信を見ていたので…