アメリカのシリアルキラー、アルバート・フィッシュ(1870-1936)について記す。 “グレイマン”、“ブルックリンヴァンパイア”、“ムーンマニアック”、“ウィステリアの狼男”、“ブギーマン”など数々の異名を持ち、その犠牲者は100人は下らないとも言われており「すべての州のこども」を血祭りにあげたとの逸話も伝えられる。トマス・ハリスによる創作上のサイコキラーであるハンニバル・レクターの主要モデルの一人となった、犯罪史上まれにみる狂人である。 ■Dear Mrs. Budd, 1934年11月、デリア・フラナガン・バッド夫人の元に匿名の手紙が届く。文盲の夫人は息子にその手紙を読んでもらうことにし…