対物狙撃銃。口径12.7mm以上の狙撃銃のこと。
元々、歩兵用の対戦車兵器として開発されていた大口径ライフルであるが、複雑・多層になる戦車の装甲に対して単純なライフル弾では到底太刀打ち出来なくなり、対戦車ライフルという銃器カテゴリは消滅した。しかしその開発過程で、大口径ならではの長射程・大威力は戦車以外の狙撃でも有効だと言うことも判り、湾岸戦争以降は歩兵が携帯出来る長距離狙撃用の武器として活躍している。
しかし、対人狙撃用としては威力が高すぎるため*1人道的でないという批判もあり、現在では戦場における12.7mm以上のライフルでの対人狙撃は禁止されている。そのため、(戦車以外の)装甲車輌・軽車両・施設専用狙撃ライフルという意味で「アンチマテリアルライフル」と呼ばれている。
(未だに米軍では対人狙撃を日常的に行っているという話も‥‥。曰く「相手が持ってた武器や装備品を狙ったんだけど外れて当ってしまった」「ボディーアーマー・ヘルメットを狙ったら貫通してしまった」らしい。無茶いうな)
また、戦場以外でもカウンターテロ部隊にも配備され、ハイジャック犯を機外から直接狙撃するなどの用途に使われている。
有効射程と威力は口径に比例し、12.7mm(50口径)で1,000mの距離で500円玉を撃ち抜ける精度を持ち、最大射程は通常1,500m程度であるが、条件が合えば2,000m先の目標を狙撃することも可能である。また、防弾ガラス・コンクリ壁程度なら貫通して狙撃することが可能。
現在米陸軍制式であるバーレット XM109(25×59mm)では、有効射程2,000m、最大射程2,400mと超長距離狙撃が可能になっている。
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*1:四肢にかすめただけで吹き飛び、胴体に当ればちぎれる