(1901年ー91年) フランスの社会学者。1930年代にマルクス主義に接近し、58年にスターリン批判と共産党のアルジェリア政策批判を軸とした雑誌『レタンセル(火花)』を発行してフランス共産党を除名されるまで、党の理論家の一人として活動。高度資本主義社会の日常生活を社会学的に研究し、政党はマルクス主義の変更を迫る大著『日常生活批判』(第1部、1958年、第2部、61年。その『序説』は1947年に発表)や、スターリン主義を告発した『マルクス主義の諸問題』(58年)により、左翼・知識人から芸術家までに大きな影響を与えた。1960年以降、シチュアシオニストの影響下に「都市」を拠点とした「革命」の考えに傾斜してゆき、『パリ・コミューン』(65年)、『都市への権利』(68年)、『都市革命』(70年)など多くの都市論を著し、現代に至るまで都市計画専門家に影響を与えている。