人と人が出会って、物語をつくる。それは、ヒリヒリした思い出になることもある。日記につけたくない展開だった。 「あなたを、盗人と思って付き合います」初対面のADが、ナイフのような言葉を突き刺してきた。「あなたの脳から全てのイメージを盗み出してやる」私は言わなかったが、思った。なんと失礼な人だ。信頼関係がないと、うまくいかないからと、背を向けることもできた。 しかし、今回の仕事は、言葉でなく絵の強い力が必要だと思っていた。声でなく、身体の大きな動きで状況を一変させたかった。だから、ADの事務所に留まった。 そして、大きな覚悟もポケットに入れる必要があった。”写真には空気が映る”ということを、ADは…