自分が愛されているという妄想であるエロトマニア(被愛妄想)の一種に、自分が夜中に性的な誘惑を受けているという妄想もあります。基本的にエロトマニア者は、自分が相手から恋愛感情をもたれ、誘われ、ストーキングされていると感じています。 色情狂(筆者注:エロトマニア)の一種である就眠女性強姦妄想(インキューバス症候群)の場合、病者は、夜更け、まだ見ぬ愛人から性的なお誘い、つまりセックスを強いられていると妄想している(ラシュカ、1979)。空想の愛人は自分に恋着していると信じるのが色情狂者の特徴である以上、その文脈においてストークされているという妄想が生じても、驚くにはあたるまい。(P. E.ミューレン…