「本」というものが指す範囲は広い。 とりわけ日本では本と雑誌の境界すらかなり曖昧だ。漫画雑誌を求めて「本屋」に行くなんてことはありふれている。 そして、読んで字の如く「書を読む」という「読書」もまた、本を読むことから雑誌、あるいは漫画や新聞だってその範囲に含んで不合理なことはない。もしかしたらこれからの時代は、ブログを読むことも読書とするコンセンサスが醸成されていくのかもしれない。 しかし、このようにこれといった定義がつくれないからだろうか、自身のアイデンティティを守るためにかいわゆる「読書家」のなかには、これは読書であって、これは読書ではない。あるいは、これは文学だが、これは読み物に過ぎない…