正義と誹謗中傷 黒いバラの花びらが重なり合ったデザインをした、72人のアイドルたち。花びらの1枚1枚が、ギャルと呼ばれる女性が持ってるハンドバックみたいに黒光りしていて、隙間からはそのアイドルのイメージカラーが覗いている。 「キミが仰ぎ見ている彼女たちも、何らかの理由でこの世界から退場させられた少女たちさ」 久慈樹社長は、言った。 「正義ヅラしたクソ共の、くだらない正論によってね」 ミクが、続ける。彼女の身体に巻き付いているヘビも、艶(つや)やかな真っ白いウロコをしていた。 「仕方ないさ。正論なんてのは実際のところ、人を攻撃するためにあるからね」 フウカの背中のドラゴンの翼も、赤いピカピカなウ…