いますぐ読めるというわけではないのだけれど、阿部和重の初期の作品を読み返したくなった。『アメリカの夜』や『インディヴィジュアル・プロジェクション』、『ニッポニアニッポン』などだ。というのは、そうした彼の作品はこの自分自身の持つ主観(ひらたく言えば「自分自身がこの世界をどう捉えているか」)と世界そのもののズレをテーマにしていると読んできたからだ。それで、今日は休みだったので図書館に行って阿部和重の本を探したのだけれど『インディヴィジュアル・プロジェクション』はもう所蔵されていなかった。たぶんあまり読まれないからだろう(実にもったいないことだけど)。しょうがないので多和田葉子『アメリカ 非道の大陸…