地理学者 「人文主義地理学」「現象学的地理学」の提唱者
本名:段義孚(Yi Fu Tuan:イーフー・トゥアン)
1930年天津生まれ オックスフォード大学の学部・大学院修士課程を修了 カリフォルニア大学バークレー校で博士号取得 1983年〜ウィスコンシン大学マディソン校の地理学教授
主な著書 個人空間の誕生―食卓・家屋・劇場・世界 空間の経験―身体から都市へ (ちくま学芸文庫) 感覚の世界―美・自然・文化 トポフィリア―人間と環境 コスモポリタンの空間―コスモスと炉端
学問の基礎学としての哲学である現象学とその応用たち 哲学としての現象学 応用される現象学 現象学と社会学 【シュッツ『社会的世界の意味構成』】 現象学と地理学 【レルフ『場所の現象学』トゥアン『空間の経験』】 現象学と哲学 【メルロー=ポンティ『知覚の現象学』】 前回のお話 現象学が基礎づけようとした、体験を意味づけすることにより新しい学問的基礎を築いた哲学 - 日々是〆〆吟味 学問の基礎学としての哲学である現象学とその応用たち ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学 (中公文庫) 作者:エドムント フッサール 発売日: 1995/06/01 メディア: 文庫 哲学としての現象学 フッサール先生…
1.「痴漢なんて触られただけ」は本当か 1.痴漢は依存症的行為である 2.人として尊重されないという不安 3.パーソナルスペースを侵害される不快感 4.痴漢問題は男女の対立点ではない 1.「痴漢なんて触られただけ」は本当か 「痴漢なんて触られただけなのに大げさだ」「痴漢くらいいいじゃないか減るものじゃあるまいし」という言説が定期的に現れる。その上、他の犯罪でも同様の冤罪被害があるにもかかわらず、痴漢冤罪だけはやたらと騒がれることが多い。他の犯罪に比べて痴漢だけが冤罪被害が多いという統計もあるわけではないのに、である。 非難の矛先も、冤罪を作った警察ではなくなぜか痴漢被害を訴えた女性に向く。また…
一九七〇年代の「ピラミッド・パワー」ブームについて、偽科学批判で知られるテレンス・ハインズは次のように回想している。 ピラミッド・パワーとは、ピラミッドの形自体が魔術的であり、神秘的なエネルギーとパワーで満たされている、という考えだ。トースとニールセンの著書『ピラミッド・パワー』によると、ピラミッド・パワーは「未来の燃料」だという(本の扉より)。キングの『ピラミッド・エネルギー・ハンドブック』の裏表紙を見ると、ピラミッドが「あなたの超能力を深化させ」、「栽培している植物を成長させる」とほのめかされている。 (中略) 私の記憶では、新聞の日曜版の付録にピラミッド型の犬小屋の広告があって、犬にノミ…
プラトンやアリストテレスの時代のプシュケーと、デカルト以降の心の概念とを区別するものは、心の概念は主観的・私秘的であるという点であろう。心身問題と他我問題、独我論はその意味で同根である。私にしか感じられない私の心の存在、言い換えれば、私が私以外の心を感じられないという事実、私がどうしても私であるということが、これらの問題の根底にある。 長い間女性はまるで自我を持たないかのように、家庭内の労働力として抑圧されてきた歴史がある。ヴァージニア・ウルフは、『自分ひとりの部屋』において、女性の社会進出、地位向上のためには、自分ひとりの部屋を持ち、自分のために使える時間を確保することが必要であると説いた。…
2020年6月23日に、東大の阿部賢一准教授の「文化批評」の講義のゲストスピーカーとして、「「北海道文学」を脱構築する「アイヌ文学」――モダニズムと惑星思考」というタイトルで講演をしました。しばらく前からお話をいただいていたものですが、コロナ・ウイルス禍の影響で、Zoomによる遠隔講義形式をとりました。 これまでの私の商業・学術原稿では、引用してこなかった資料をベースに組み立て直しました。綿密に準備をしたので学会発表みたいになりましたが、コーディネイターの阿部賢一さん、ゲストの東條慎生さん、目野由希さん、ご参加いただいた皆さんに感謝します。 講演で使用した「ウタリと教育」4号 いずれ論文にした…