読書 人新世の「資本論」 以下、「本書」と書いたら「人新世の『資本論』」のこと。 第1章の冒頭、ノーベル経済学賞を受賞したノードハウスの論文 “To Slow or Not to Slow: The Economics of The Greenhouse Effect” に対して「一部の環境学者から批判の声が上がった」としている。この「批判」として引用されているのはジェイソン・ヒッケル(Jason Hickel)という人類学者の以下の記事だ。 foreignpolicy.com ヒッケルはノードハウスの仕事を批判しているのだが、自分の主張を正当化するために論文から数値を恣意的に引用して曲解し、…